Forbes Korea(雑誌) 9月号特集 朴相権社長インタビュー【前半】

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経済誌フォーブス(韓国語版)9月号の表紙を飾った朴相権社長

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    記事の内容を御紹介します。

    

COVER STORY –自動車北事業第2流通•サビス業で開く

    記事:チョ・ドゥッチン(フォーブス・コリア)記者  写真:オ・サンミン記者

 朴相権平和自動車代表は、今風に言うと”hot”な人物である。 7月末に平壌を訪問し、金正恩労働党第1書記に会った。

 南北合弁企業の平和自動車総会社と普通江ホテルの株式をすべて北朝鮮に譲った彼は今、新しい事業を開始した。

 

 

つかつかと歩いてきた金正恩労働党第1書記が朴相権平和自動車社長に先に手を差し出した。「お元気ですか? 20年以上私たちを訪ねて来られ、多くの関心を持って働いてくれたことに深く感謝いたします。朴社長は根が深い方です。これからも祖国の統一のために力を合わせて働きましょう。」

握った金書記の手に力が感じられた。

 朴社長は、去る7月24日から8月3日まで北朝鮮を訪問した。 20年前から、月に一回のペースで訪朝し、今回が215回目だった。朴社長は、『北朝鮮の戦勝記念日(韓国では停戦協定締結記念日)60周年行事に出席するため訪れた。金正恩書記が参加する行事なのだから、握手ぐらいはできるだろうと思ったが意外にも挨拶を交わし写真撮影もすることになった。 20年以上、南北経済協力に注いだ努力が認められたようで感無量だった』と話した。

平和自動車は、1994年、平壌、平安南道南浦市に平和自動車総会社を設立した。株式は、統一グループが70%、北朝鮮が30%を所有した。 2002年から10年の間に約2000台の自動車を生産した。平和自動車は、ほぼ同じ時期に平壌に普通江ホテルも設立した。しかし、昨年末、朴社長は、両社のすべての株式を北に譲り渡した。代わりに、新しい事業を推進している。開城工業団地の第7次会談の2日後の8月16日、ソウル江南区新沙洞平和自動車本社で朴社長に会った。朴社長は、統一グループの対北朝鮮事業を担当している。朴社長は、在米同胞の身分ということもあって比較的自由に北朝鮮を往来する。長年の経済協力の実績で政府高官とも頻繁に接触する。財界では、北朝鮮経済に明るい”北朝鮮通”と呼ばれる。今年1月には平壌市の名誉市民にもなった。彼は今年に入って北朝鮮を訪問するたびに、平壌のほか、地方の開発特区や観光地を見学して回っている。今回は平壌と江原道元山のマシクリョン(馬息嶺)スキー場、金剛山などの最近の様子を写真と映像に収めてきた。彼は『核関連の国際制裁のせいで経済事情は良くないが、全体的に新しいリーダーを中心に一度やってみようじゃないか、という活気ある雰囲気だった』と伝えた。

平壌(ピョンヤン)の雰囲気はどうか?

 平壌市内は根底から変わっている。 古くから植えた金芝をみな抜き取って中国から持ってきた四季青芝に変えている。 5cmも隙間が見られないまで敷き詰めていた。 もちろん芝をたくさん植えることで空腹の問題が解決される訳ではないが美化事業を通じて住民たちの心を一つに集めているという感じを受けた。 平壌の住民は今まで放置していた空間を惜しんで物を育てている。 他の大都市も同じだ。

目に見える変化があるか?

金正恩が書記が就任してから1年しか経っていなかったが、過去10年経ったと思えるほどの変わりようだ。平壌には公園も多くできたしマンションや高級レストランも建設中だ。改装中の建物も多い。普通江ホテルも外側を大理石に改装した。平壌の総合施設「ハマナス(해당화)館」を訪ねたところ風呂•カラオケ•美容室•レストラン•ショッピング施設などが洗練された感じだった。
足マッサージ店もできた。 これまで「他人の足を触るのは中国人がすること」としながら自尊心を先立ててきた北朝鮮がドルを受け取って足マッサージを始めた点は驚くべき変化だ。 平壌市内には軽油で走るバスが登場したし、電力事情も前より良くなったようだ。

パク社長は開城(ケソン)工業団地7次会談が成功裏に終わって幸いだが、開城工業団地に対する北朝鮮の立場を私たちが誤解していると指摘した。 彼は「私たちは『北朝鮮が開城工業団地は外貨ドルを稼ぎ出すドル箱なので再開するしか方法がない』と考えるが、金養建統一戦線部長は『南側が私たちを誤解している。 私たちはそのように考えない。 1人当り1ヶ月給料が80ドルもならないのにそのような少ない給料与えて人を使う国がどこにあるか』と話した」として「開城工業団地は6・15宣言の所産であり、自分たちの先達が決めた国家的・歴史的な事業だ、となくなるのを心配する様子であった」と話した。
彼はまた「南北関係を見れば相手の意中を推しはかるために、あえて刺激する部分が多い」と指摘した。 彼は「南、北ともに『相手がどのように出てくるか見てみよう』という式でミサイルを撃って、民間支援を抑制して緊張が高まった」として「開城工業団地問題も銃声は出なかったがそのかわりにミサイルを撃ったわけだ。 お互いが言語の砲弾、脅迫のミサイルを撃って公団閉鎖という結果まで行った」と話した。 両側ともに相手の『クセを直しておく』という暴言など攻撃的態度を自制しなければならないと忠告した。

北朝鮮は去る5月29日最高人民会議常任委員会を開いて‘経済開発法’を制定した。 経済特区を拡大推進するというのが主な内容でこれに伴い、新義州(シンウィジュ)・南浦(ナムポ)・ヘジュなど経済特区と白頭山(ペクトゥサン)・原産・七宝山(チルボサン)など観光特区建設を積極的に推進している。 朴社長は今回の北朝鮮訪問で明沙十里(ミョンサシムニ)海水浴場と馬息嶺(マシクリョン)スキー場工事現場、金剛山(クムガンサン)観光特区などを見てまわった。

北朝鮮の特区開発状況は?

最近北朝鮮は観光産業インフラのために大々的な投資を行っている。 白頭山(ペクトゥサン)・七宝山(チルボサン)・元山・金剛山(クムガンサン)・開城(ケソン)観光特区に一つを加えて総6個の観光特区を作る計画だ。 白頭山(ペクトゥサン)近隣の三池淵(サムジヨン)空港、七宝山(チルボサン)近隣のオラン空港、元山近隣、カルマ空港など軍所有であった飛行場を民間空港に変えている。 去る1月初め金正恩書記の指示が出て10日ぶりに軍人が移動を終えたという。

元山観光特区開発速度が最も速いが?

金正恩書記は特区開発の中でも元山~金剛山(クムガンサン)観光地区開発に相当な関心を見せている。 空港と海水浴場(明沙十里(ミョンサシムニ))が隣接して馬息嶺(マシクリョン)スキー場も建設中なので観光地として適格だと判断したようだ。 すでにカルマ空港の名前を元山空港に変えたし軍人用に新築した未来ホテルも観光用ホテルで切り替えた。 空港にコンベンションセンター建設を推進中だ。 北朝鮮には『馬息嶺速度』という表現がある。 本来10年を見通した工事だったが今年中に終わらせようとする。 元山特区開発に軍兵力30万人が動員されたと聞いた。

 江原道(カンウォンド)元山の馬息嶺スキー場には約22平方kmの敷地に360室を備えたホテルとゴルフ場・山林公園・山岳乗馬長・健康センターなどが入る予定だ。 米国の北朝鮮専門インターネット媒体NKニュースは最近北朝鮮体育省と江原道人民委員会が作成した資料を入手して報道した。

 これによれば北朝鮮は馬息嶺スキー場が本格的に稼動すれば一日の客が平均5000人に達してこれを通じて総6000万ドル以上の収入を得ると予想する。 スキー場近隣地域住民と周辺国観光客を主な顧客層と見ている。 収入(輸入)を増やすためにアジア・国際大会を誘致する方案も含んでいる。

 北朝鮮は特区開発のために資本誘致に積極的だ。 馬息嶺スキー場にはシンガポール・香港などから投資の問い合わせがあるという。 これに対して、アン・チャニル世界北朝鮮研究センター所長は「北朝鮮の外貨比重が増加していて外貨誘引策もある程度用意しているので観光産業の基礎をよく敷けば残りの産業も牽引できるだろう」と展望した。

金正恩氏書記が観光特区開発に乗り出した理由は?

金正恩書記からすれば、元山観光特区開発は人民に自分の力と能力を実証する場だと考えることができる。今回推進する観光特区地域は、すべての観光資源に優れた場所であるため、比較的少ない費用で大きな効果を出すことができる。特に観光産業は、国際社会の制裁から相対的に自由であるため、外貨稼ぎにも有効だ。

 訳Harikawa

  

 

コメント

  1. tomy5931 より:

    Eiji Harikawa さんへ

    フォーブス9月号の記事の日本語訳、お疲れ様です。
    ところで、記事下を見ると【 1|2|3| 】、まだ続きがあるようです。

    • Eiji Harikawa より:

      長くなるので一旦切りました。 この後に朴相権社長の今後の事業の話が来ますね(そこが知りたい!)。

      後編として近いうちにアップします。 写真貼り付けありがとうございます(^^)/

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