お金の物語 4/10


 

 4 基軸通貨

 

 基軸通貨であることは強烈なパワーを持っています。アメリカ経済の強さは輸出入を基軸通貨であるドルで決済できるからですが、そのことについてみておきましょう。

 

 アメリカは聖書に書かれてある、創造主なる神を信じて建国された歴史上特異な国です。
少しおさらいしてみますと、1492年コロンブスによって発見される、1620年 当時イギリスで弾圧されていた清教徒達が信仰の自由を求めて新大陸アメリカに渡る、彼らはピルグリムファーザーズと呼ばれ、彼らの建国精神がその後のアメリカを作っていくことになります。

通貨の文字の中にもそれが現れていますIN GOD WE TRUST(我ら神のみを信ずる者なり)、そして個人の信仰においては正直、信頼、博愛、勤勉、努力、奉仕など、正に神の国をこの地に造るのだという理想精神がアメリカの建国精神なのです。

 

 この神に祝福された新大陸は広大で美しく資源も豊富にありましたので、神の国建設に燃えた人々が教会ごと、あるいは知人友人親戚を頼ってヨーロッパ中からやって来ました。
彼らはまず教会を建て、道路や学校を作り、自分たちの家は最後につくっていきました。

アメリカでは発明発見が集中的におこって産業が急速に発展していきます、そして第二次世界大戦を迎えたわけです。
この大戦中アメリカはベルトコンベアーによる最新兵器の大量生産を行うことによって、連合国の一大武器生産国、資源供給国、軍事大国になっていました。

 

そして大戦が終る頃、アメリカにはなんと世界の金(ゴールド)の70%が集まっていたのです。

 

 1944年ニューハンプシャー州にあるブレトン・ウッズで国際通貨金融会議が行われました。 
ヨーロッパの国々は国土も通貨も壊滅的な状況でしたが、アメリカだけは無傷に等しくそれどころか世界中の金と巨大な軍事力とドルをもっていました。
ここでアメリカのドルを世界の基軸通貨にすることが決まりました、すなわちドルだけが金と交換できる(兌換紙幣)、各国の通貨はドルと交換できる(固定相場制)となったのです。

 

 お金の歴史始まって以来の最強通貨の誕生です。

もしこの時、アメリカの建国精神を世界中に広めようとすれば、それを受け入れない国は一国もなかったでしょう。

結果的にはアメリカはそれをせず、建国精神は繁栄の中でだんだん忘れられていくことになります。
病んだアメリカ、堕落したアメリカと言われるようになり、兌換紙幣であったドルも1971年のニクソンショック(ドルショック)によってブレトン・ウッズ体制は終り、ドルと金の交換停止、各国の通貨とも固定相場制から変動為替相場制へと移行する宣言がなされたのです。

 

 兌換紙幣にはその性格上手持ちにある金の量を超えて紙幣を発行できないという制限があります。
しかし、ドルショック以後もドルは基軸通貨で在り続けているわけですが、ここに大きな問題が発生しました。
私がとてもわかり易いと思う説明がありますので以下に引用します。

 

 

    「基軸通貨」には、信じられないほどの特権があります。

   それを説明する前にシニョリッジについて説明しておきましょう。
   シニョリッジとは、通貨発行益といわれ、通貨発行者だけが独占的に得ることができる利益です。
   昔、お金が鋳造貨幣(コイン)だった頃、貨幣を悪鋳すると、その浮いた分だけ実物的利益を得る

   ことができました。
   たとえば、金1g=1000円のとき、金1gを使って2000円金貨を鋳造すれば、貨幣発行者は

   1000円の差額を利益として得ることができます。
   ローマ時代、軍事費と宮廷費を賄うため、貨幣の金含有量を減らせる「悪貨鋳造」は続き、

   貨幣による国民の富は搾取され続けました。
   中世ヨーロッパや日本の奈良時代や江戸時代にも同様のことがおこなわれています。

   貨幣発行者に自己規律がないと貨幣発行特権は濫用されるようです。
    さて、当時のお金は金属で、原則的には、その金属の価値がお金の価値でした。
   ところが、これが現在のような兌換性のない紙幣だと、お金をつくるのにかかる費用は印刷代

   と紙代だけ。

    ほぼ、まるまる差益となります。

   今、これを世界的に見れば、シニョリッジによる利益は、基軸通貨であるドルを発行する米国が

   得ていることになります。

   米国は、貿易で購入した製品に対し、米ドルを刷って渡すだけで、他国から好きなものを手に

   入れることができます。

                               (世界最強の通貨「ドル」の力 あべよしひろ氏)

 

 

 このように基軸通貨のパワーはとてつもないほど大きいものです。
ドルが基軸通貨であり続ける限り、アメリカは繁栄し続けますが、またドルを印刷し続けることはドルの価値をどんどん下げる結果にもなっているのですが、ともかく基軸通貨の強烈さとお金(紙幣)の発行権を持つことの莫大な利益性(破壊的)については理解できたのではないでしょうか。

 

 

 

  第二部  新しい金融システム

 

 1 人体との対比

 

 現在運行されている貨幣システムでハード部分は整っていますので金融ルール(法律)変更すればよいということになりますが、単純にそれだけでうまく行くでしょうか。

 

Posted by on 2012年2月12日. Filed under コラム. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. You can leave a response or trackback to this entry

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