お金の物語 3/10


 

 2 信用創造

 
次は信用創造についてみてみましょう。

国語辞典には 「信用創造とは、銀行などの金融機関が本源的な預金を貸し出し、その貸出金が再び預金されてもとの預金の数倍もの預金通貨を創造すること」とあります。

これは、銀行は信用創造によって莫大なお金を生み出しているのですよ、ということ言っているのですがどんなシステムなのかアメリカの中央銀行(連邦準備制度=FRB)と市中銀行の関係を例に日本円に置き換えて物語にしてみたら分かりやすいと思います。

    いま、新しい銀行がオープンしたとします。
   ドアがあいて最初のお客さんがきました。彼は家を買うために1,000万円の融資を申込みます。
   銀行はあらかじめ準備預金制度という法律によって銀行の資本金の中から中央銀行に111万

   1,112円の保証金を預けてあります。

   この時の預金準備率は9:1(便宜上)ですので、111万1,112円の9倍の1,000万円を銀行は

   何も無いとろから創造することができるのです。
   これはハイパワードマネーといって借り手の借金の誓約があればできるのです。
    この1,000万円は家を売った不動産屋に支払われます。
   不動産屋は一旦自分の銀行口座にこの1,000万円を預けます。
   預けられた銀行はハイパワードマネーによってこの1,000万円を増やすことはできませんが、

   その代わりその準備率によって分けることができるのです。
   すなわち、9:1の割合で新しいローン900万円が1,000万円の預金を元に創造されます。
   この900万円も同じ比率によってまた3回目のローンの原資として810万円に分けられます,

   同じく4回目 5回目・・・と繰り返し預金(入金)を原資にお金をどんどん創造出来るのです。
   このようにして銀行は111万1,112円を中央銀行に預けることによって1億円のお金を合法的に

   創造することが出来るのです。
   この天才的システムの元では銀行の融資額より預金の方が常に10%以上多いということになり

   ますので、人々は銀行はその預金の中から融資をしているのだと思ってくれているのです。

                                      (Money As Debtより 一部意訳)

 

 これはアメリカでのFRB(連邦準備制度)と一般銀行の間で行われる信用創造の作り方です。
ちなみに連邦準備制度というと、なにか国の省庁のように聞こえますがこれは100%民間銀行数社の連合体なのです。

 一方日本はというと、日銀のホームページの「準備預金制度における準備率」によりますと預金の種類によって比率が決められています。

例えば、預金の場合5,000億円超1兆2,000億円以下の比率は0、8%。2兆5,000億円超の場合は1、3%となっています。債券の残高についての準備率の場合は0.1%となっています。
この比率は91年にそれまでの比率より下げられていますちょうどバブルがはじけた後で、市場は資金難の時でした。日銀はこの比率を変えることによっていわゆる市場の金融操作をしていたんですが、それがバブルを産み出しそれを弾けさせたとの批判から91年以降変えていません。
その後96年銀行に公的資金の注入となりますので日銀の反省(無策)ぶりがつづいているわけです。

 

 いずれにしても100倍近いお金を日銀への準備金を根拠に 何も無いところから創り出せるのです これが信用創造です。
銀行は集めた預金を貸しているのではなく、信用創造によって言わば勝手にお金を創(つく)っているのです。もっと単純化して話せば、例えれば1軒の家しか持っていない人が100軒の家を貸しているようなものです。ひっきりなしに入居者がある時はよいのですが不況で借り手がいなくなったときは大損です。

 

 だから不況の時は市場(銀行)からお金が急速になくなっていくわけです。
銀行は元々1軒の家しか持っていないのですから。

 

銀行は好景気の時はこの信用創造によって借り手のローンの契約書があればいくらでもお金を造れるわけです。貸出枠が一杯になれば、また日銀に預ける現金の準備率を上げればその何百倍も貸出枠が増えるのですから。
しかし景気が悪くなって銀行への返済が滞ってきたらどうでしょう。銀行は元々自分のところの金庫にある現金を貸していたのではなく、信用創造によって創られた数字だけを借り手の口座に書き込んでいただけなのです。

言わば好景気の時には空貸しをどんどん繰り返すのですからこれは風船をどんどん膨らませていくようなものです、一旦不景気になって風船がしぼみ出すとやはり市場や銀行のコンピューターからはお金という数字がどんどん無くなっていくわけです。
元々銀行にはお金という現金はほとんどなく、あるのはお金という単位の数字だけなのですから。

 

 銀行に預けてある定期預金を解約しょうとしたとき銀行から「解約はできません」と渋られたことはありませんか。
それは定期預金は日銀への準備預金として積み上げられていることが多いからなのです。

このように現在の貨幣システムとは、消費者にとっても銀行にとっても全く不完全なご都合主義的なシステムであることが分かってきたと思います。

 

       ―辞書から―

      ・準備預金制度
        金融政策手段の一。日本銀行は市中金融機関に対し、預金などの一定割合(預金準備
        率)を準備預金として預けることを義務づけている。これは昭和32年(1957)制定の
        「準備預金制度に関する法律」によって定められており、日本銀行はこの預金準備率
        を操作することによって市中の資金量の調整を図る。支払準備制度。

     ・預金準備率 (詳しい率は、日銀HP準備預金制度における準備率にあります)
       準備預金制度により、市中金融機関が日本銀行に準備預金として無利子で預けること
       を義務づけられた金額の、預金などの残高に対する比率。支払準備率。

 

 

  3 お金の発行権

 

 お金には、硬貨とお札があります。硬貨の発行元は日本政府ですので硬貨には「日本国」と刻印されています流通量はおよそ4.5兆円です。
一方お札は日本銀行ですので「銀行券」と印刷されていまして流通量はおよそ77兆円です。
日本人の金融資産の総額は1400兆円で国と地方の負債総額は900兆円、国内総生産(GDP)は約500兆円です。 といっても資産や負債の総額は何を含めて何を含めないのかによってかなり違ってきますので正確に答えられる人は誰もいません。

 

 それで硬貨はたとえ何百兆円発行しようと、政府が発行するのですから政府は利息を払うということはありません。お札を発行している日銀は株式会社です、政府の出資比率は55%で45%は民間です。また様々な規制がかけられています。

政府は税収以外にお金が必要となったときは、民間から国債を担保にお金を借りていまして合わせて利息も払っているわけです。
政府自身で発行すればあの莫大な利息はいらないというのにです、複利なしで単純計算にしても900兆円×1.5%=13.5兆円です、10年で135兆円、20年で270兆円という恐ろしい金額です。

 

いったい誰の都合でこんなことになっているのでしょう?

 

 以上見てきましたように、お金というのは誰かのローンがあって初めて創られるということが分かりました。もしローンがすべて返済されたとするならば、実はお金そのものがこの世から無くなってしまうということです。
銀行も自体が生き延びて行くためには、常に良質のローンを求めてより大きな市場を貪欲に開拓し続けなければなりません。
一番安全なローンは国にお金を貸すことです、国家にお金を貸し市中銀行にもお金を貸す銀行それは中央銀行です。

 

中央銀行を経営している銀行家達は、この世界の経営者たちと言えるのです。国家が最も大きなローンを必要とするときは戦争です。
戦争こそは国際銀行家達の最も活躍する時です。

大量の武器を買い莫大な破壊をもたらすことによってまた新たな復興のためのローンが必要とされるからです。
貪欲に世界を飲み込んできたこのシステムも、もし新たなローンが組めなくなったとするならば崩壊せざるをえないのです。

 

ここ10年ほどの間世界中に広がった金融派生商品という様々な投機マネーは地球上の実物経済の数倍の規模になっています。これが結果的にシステムの崩壊を早めています。
インターネットの普及が彼らの企みを容赦なく暴きたてています。
第三次世界大戦も幾度か危機がありましたが今のところは起こっていません、が戦争を望む声は一般人の中にも多くなってきました。

 

世界的不況によって新しいローンが組めなくなり、市場からはお金がどんどん消えていっています。
ここに来て世界は2012年に終焉を迎えるという予言まで登場しました。

 

彼らにこの特権を与えているのは金融システムに関する様々な法律です。

次の項ではそのことについて具体的に見ていきますが、その前にお金の発行権についてもう一つ重要なこと、基軸通貨について押さえて置く必要がありますのでそのことについても見ておきましょう。

 

 

 

4 基軸通貨

基軸通貨であることは強烈なパワーを持っています。

 

 

Posted by on 2012年2月11日. Filed under コラム. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. You can leave a response or trackback to this entry

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